アクセシビリティ

E2748 - NCARシンポジウム003「美術館のアクセシビリティ」<報告>

カレントアウェアネス-E

No.490 2024.10.31

 

 E2748

NCARシンポジウム003「美術館のアクセシビリティ」<報告>

国立アートリサーチセンター・鈴木智香子(すずきちかこ)

 

  2024年9月23日、独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター(NCAR;E2606 参照)は、NCARシンポジウム003「美術館のアクセシビリティ―共生社会に向けて、対話のある“合理的配慮”とは?」を、国立新美術館で開催した。本稿では、その内容を紹介する。

  片岡真実(NCARセンター長)からの開会挨拶の後、筆者(NCAR研究員)と伊東俊祐(NCAR客員研究員)が趣旨説明を行った。2024年3月に刊行した『ミュージアムの事例(ケース)から知る!学ぶ!合理的配慮のハンドブック』の内容に沿いながら、「対話のある合理的配慮」がどのように実現されるのか、前提となる考え方について説明した。

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アクセシビリティ

アクセシビリティ分野における欧州出版業界の能力向上に取り組むプロジェクトAPACE、欧州の出版におけるアクセシビリティの現状に関する調査報告書を公開

2024年10月2日、アクセシビリティ分野における欧州出版業界の能力向上に取り組むプロジェクトAPACE(Accelerating Publishing Accessibility through Collaboration in Europe)が、欧州の出版におけるアクセシビリティの現状に関する調査報告書を公開しました。

APACEは、イタリアの非営利団体Fondazione LIAの主導の下、欧州の出版関係団体等が参加しているプロジェクトです。2025年6月から適用が開始される欧州アクセシビリティ法(European Accessibility Act:EAA)を背景として2024年1月に立ち上げられ、アクセシビリティ分野における欧州の出版業界の能力向上に取り組んでいます。

発表によると、報告書では、欧州の出版におけるアクセシビリティの現状について、出版社等に対するオンライン調査と専門家に対するインタビュー調査を基に分析しています。主な結果として、調査対象となった出版社の70.5%は、EAAが自社の活動に影響を与えることを認識しているものの、アクセシブルな電子書籍を作成しているのは全体の37.4%にとどまること等が述べられています。

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