国立図書館

E2742 - オランダ国立図書館が建設する新書庫について

カレントアウェアネス-E

No.489 2024.10.17

 

 E2742

オランダ国立図書館が建設する新書庫について

収集書誌部資料保存課・廣川明日菜(ひろかわあすな)

 

  オランダ国立図書館(Koninklijke Bibliotheek:KB)は、現在新たな書庫の建設を進めている。2028年に稼働予定であるこの書庫には、従来とは異なる構造とシステムが導入される。本稿ではその特徴を紹介したい。

●新書庫建設の経緯と概要

  KBは1798年に設立され、数回の移設を経て1982年に北海沿岸の都市・ハーグの現施設へ移転したが、収蔵スペースのひっ迫と老朽化に加え、近年の海面上昇に伴う地下書庫の水害リスク、また運用にかかるコストなども大きな課題となっていた。これらの諸問題を抜本的に解決するために、KBは書庫の一新を決めた。

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大規模言語モデル「GPT-4o」を用いたウェブアーカイブのメタデータ作成:シンガポール国立図書館庁(NLB)の事例(文献紹介)

2024年11月8日付けでプレプリントサーバーarXivに、大規模言語モデル(LLM)のGPT-4oを用いたウェブアーカイブのメタデータ作成に関する記事“Web Archives Metadata Generation with GPT-4o: Challenges and Insights”が掲載されています。著者はシンガポール国立図書館庁(NLB)のAbigail Yongping Huang氏らです。

記事では、NLBが提供するウェブアーカイブ“Web Archive Singapore”を対象として、ウェブサイトのタイトルや抄録等のメタデータをGPT-4oを用いて自動生成する実験を行った結果がまとめられています。

GPT-4oを用いることで、コスト削減や効率化が実現できる一方、人が作成したメタデータの方が品質や精度が優れていること、大規模言語モデルは人間のカタロガーを代替するものではなく補完するものとして捉えるべきであること等が指摘されています。

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